函南真弓SIDE



「…嘘よね?」



アタシはケータイに向かって言った



「直が死んだなんてうそ嘘よね、嘘よ。嘘に決まっているわ!」



壁にケータイを投げつけうつぶせになった



「…直は生きてる……」



アタシは自分に言いつけた



なのに…



実際目で見ていないのに



もう、直が死んでいるって感じてしまう



ああ、



アタシは不幸だ



自分の知らないうちに大切なモノがなくなってしまうんだから