私は突き飛ばされ地面に体を打ち付けた
激痛だったが瞬間に気づいた
私を突き飛ばしたのはトラックではないことに
「な…なお?」
私を突き飛ばしたのは
彼だった
彼は血だらけで横たわっていた
「直ぉ!!」
足を引きずって彼のところまで行った
「……さ………わ…ゲホッ…」
「直!すぐ救急車をよぶか…」
彼の血で濡れた手が私の頬に触れた
「……つき…ば…って……ご…め…」
――突き飛ばしてごめん
「しゃべらないで!じっとしてて…」
涙が次々と溢れ出してきた
「……さ……わ……す…きだ…よ…」
彼は次の瞬間動かなくなった