女帝の椅子




「……出ていきます。もちろん砂羽と」



「好きにしろ」



母は乱暴に父になにかを投げつけた後部屋を飛び出した



「砂羽…!!もう大丈夫よ、ここから出ていくの。早く荷物をまとめて」



「え…もう出るの?」



「早く!あなたもここにいたくないんでしょ?」



いたくない…そうだけど



涙を流す母を見ると即答できる質問もためらってしまう



私は頷いた



私の祖父母は若くしてこの世を去っていた



だから母は親戚の家に行くと言っていた



「…わかった」



私は荷物をまとめるため二階にいった