女帝の椅子




しばらくして順番がきた



「ではごゆっくり」



私達が乗ると観覧車の扉が閉まった



私が座ると直は私の隣に座った



「直…話ってなに?」



直は少しためらって言った



「確認…なんだけどさ、砂羽は知っていたんだよね」



「……なにを?」



「…僕が……函南と付き合っていたこと」



「ええ、知ってた」



心が一瞬痛くなった



「僕に函南を殴れって言った時どう思った?」



「……いい気味だと思ったわ」



直はいつもの優しい笑顔でこう言った



「砂羽は残酷なんだね」