「すみません…道を開けてくださる?」



そういう彼女は神童砂羽(シンドウサワ)様



『様』って付けないと周りの雑草共がうるさくてしょうがない



「あぁ…どうぞ」



俺の名は三谷淳(ミタニジュン)



神童様は別に社長令嬢でもなく



家がヤクザってわけでもない



「ありがとう」



そう笑う彼女は本当に美しい



黒く輝く髪をたらし



すれ違うだけで誰もが彼女を振り返る



そう



彼女は美しいだけで頂点に上り詰めたのだ