女帝の椅子

「青森くん…!青森くんは馬鹿だよ!馬鹿で、サイテーだよ!好きな人にひどい事するなんて、好きな人には幸せになって欲しいって思うのが普通なの!」



南世ちゃんが珍しく怒鳴っていた



「…だから私は三谷くんを諦めた」



…は?



それ違うでしょ?



「…黙れ!俺は、俺は砂羽が欲しいだけだ。欲しいだけなんだ!」



…そうよ



欲しいから愛すの、欲望のない愛なんて愛とは言わない



青森が南世ちゃんに黙って殴りかかろうとした



南世ちゃんは目を閉じないでじっと青森をにらめつけた



痛々しい音が倉庫に響く



南世ちゃんは倒れるもすぐに立ち上がった



「…もうやめて!青森も南世さんも!」



神童が1人その場で泣き叫んだ



青森は南世ちゃんを殴り続けた



アタシも黙って見る事しかしない



止めようなんて思わない