女帝の椅子




「はい」



中から母親らしき人が出てきた



あまり神童様には似ていなかった



「どちら様で?」



声は明るかったが



目は死んだように暗かった



「砂羽さんと同じ高校の三谷淳といいます」



「三谷さん?」



「え?」



まるで俺を知っているようだった



「砂羽が昔あなたの事を話していたの」



「俺の…事を…」



少し、嬉しかった



「今、砂羽部屋に閉じこもっているの!お願い!砂羽と話してあげて!」



彼女は俺にすがった



「…砂羽さんに会わせて下さい」