(side隼斗)

唇を離し、俺はポケットから箱を取り出した。

それを開け、中のモノを手に取る。

満奈の左手の薬指。

そこにそれを―――。

婚約指輪をはめた。

やっと、渡せた。

俺のモノって印を。

一生愛するって誓いを。

はめられた輝きを見て、満奈はまた泣きだした。

「ったく、泣き虫な姫様だな」
「だって・・・嬉し過ぎる・・・」

そんな満奈がたまらなく愛おしくて。

可愛くて。

綺麗で。

守ってやりたくて。

もう二度と離さない。

“愛してる”

もう・・・そんな言葉じゃ足りないくらいに。

俺は満奈にハマってる。

さて・・・と。

俺も頑張らなきゃな。

とっとと夢を叶えて、満奈を迎えに行こう。

その時満奈は、どんな顔するんだろう・・・。

満奈をホントに俺のモノにできる瞬間。

俺は立派な男になってっかな・・・。

いや、なってやる。

いつか、満奈を、

“俺の奥さん”

“妻”

そう呼べる日を夢見て―――。

「俺、ヤべぇくらい満奈に惚れてる」
「あははっ。それならあたしだって、ヤべぇくらい隼斗に惚れてるよ」

もう1度キスをした。

満奈と交わした“永遠の約束”。

もう一生切れない。

その約束は、俺らを繋ぐ赤い糸。

「愛してる」

それを聞き、笑った満奈は世界一綺麗だった。