声が裏返った。
でも、そんなの気にしない。
あたしが返事をすると、隼斗は頭を上げた。
そして、
「流川満奈に、なってください」
優しい笑顔で、そう言ったんだ。
「はい」
これももちろんOK。
ずっと憧れてた、好きな人の名字。
―――中学生の頃。
SuperStarのファンになって、隼斗が大好きになった。
“あーぁ、流川満奈になれたらいいなぁ・・・”
なんて、妄想していた記憶がある。
まさか、それが現実になるなんて―――。
その時は思いもしなかった。
だけど、今はそれが現実となって。
あたしの目の前に存在している。
「同じ墓入れとか、毎朝味噌汁作れなんて言わない」
涙が止まらない。
隼斗はあたしのそれを親指ですくいながら言った。
「ただ俺の隣で笑ってろ」
俺様口調だった。
初めはびっくりしたけど、こっちの方がやっぱりしっくり来る。
「・・・うん!」
やっと、あたしらしく返事出来た。
あたしが笑うと、隼斗も笑う。
そして、
―――チュッ
プロポーズ後初のキス。
そのキスは、今までよりも何倍も甘くて。
今までよりも強く、記憶に残った。
「愛してるよ、隼斗」
あたし達が交わした“永遠の約束”。
それが叶えられるのは、そう遠くはない―――。
「俺も愛してる。一生俺についてこいよ」
これからも、この俺様についていくから。
だから―――、
「絶対幸せにしてやるから」
俺様発言をした隼斗に笑った。
そしてもう1度、唇を重ねた。