あたしの目の前に、隼斗が立ってた。
「何で・・・?」
「びっくりさせたくて、嘘教えた」
何、それ・・・。
「ごめんな?せっかくのクリスマスなのに」
ホントだよ。
真琴に電話したからいいけどさ。
危うく1人きりでクリスマスを過ごすところだったよ。
でも・・・嬉しかった。
あと1時間半しかないけど、一緒に過ごせるから。
「いいよ」
あたしは隼斗に抱きついた。
あー、久々・・・。
早く会いたくて仕方なかった。
隼斗はそんなあたしの頭を優しく撫でてくれた。
と、思ったら。
「満奈ちゃん?」
「何?」
「今まで誰といたのかなー?」
「へ?」
何いきなり?
あたしの事を“満奈ちゃん”と呼ぶ時は、ロクな事を考えていない時。
何々!?
あたし、何かした?
「男の香水の匂いがするんだけど」
「あっ・・・」
ヤバッ。
海司さんと玲音くんの匂いが移っちゃった!?
早く洗濯しなきゃっ!
これ、お気に入りの服なのにー!
1人であたふたしていると。
「ちょっと来い」
隼斗に腕を引かれて、
―――ドンッ
ソファに押し倒された。
あたしの上に覆いかぶさる隼斗。
怖い表情をしてる。
あたし・・・何かした!?

