―――ピンポーン

真琴の部屋のチャイムを鳴らした。

―――ガチャッ

「満奈~。入って入って!」
「うん!千咲は?」
「多分彼氏さん家~」

203号室に上がる。

リビングに通されたあたしは、真琴の向かいの椅子に座った。

「それにしても、クリスマスに彼氏と過ごせないとか可哀想~」

みかんを向きながら真琴が言った。

ホントだよね・・・。

一昨年は仕事だったから2日前にやったし。

去年は夜景と・・・って!

思い出しただけで恥ずかしい・・・。

「うん・・・。でも、仕事だから仕方ないよね」
「いいなぁ。私も彼氏欲しい!」

背伸びした真琴。

年頃だもんね。

やっぱ青春したいよねー。

まぁ、あたしはしてますけど。

「もしくは仕事が欲しい。ちぃちゃんと華歩はバラエティーで、キッズは雑誌の撮影だって」
「そうなんだー」
「私、今月そんなに仕事してないんだけど」

その言葉に苦笑いする事しか出来ない。

「ねぇ、今日隼斗くん帰って来ないんでしょ?」
「あぁ・・・。うん、まぁ」
「じゃあ晩御飯一緒食べようよ!千咲は泊りらしいし」

ひとりぼっちのクリスマスを過ごしかけてたあたしに、真琴が素晴らしい提案をしてくれた。

2人で騒げば、寂しさも少しはなくなるかな・・・。

「うん、いいよ」

あたしはOKの返事をした。

「やったぁ!満奈の料理めっちゃ美味しいもん!それじゃあ買い出し行こ!」

そんなにあたしの手料理を食べられる事が嬉しいのか。

真琴はピョンピョン跳ねて、あたしの手を引く。

「ちょっ、待ってよ真琴っ!」

強引だな・・・。

なんて思いながらも、あたしは笑ってた。

メンバーと過ごすってのも、案外悪くないかも。