一緒にいたかったのに。
一緒に卒業したかったのに。
そう思ってたのは、俺だけ?
悲しい。
ムカつく。
イラつく。
「俺に触れられたくないんなら、最初からそう言えよ」
満奈にそう吐き捨て、俺は部屋を出た。
何なんだよ・・・。
ちっきしょう・・・。
ズカズカと廊下を歩く。
下の階の奴らには迷惑かもしれない。
でも、そんな事は今は考えられなかった。
俺は満奈が好きだ。
満奈だけが好きだ。
過去も、今も、未来も。
お前だけしか愛せないのに・・・。
満奈は違ったのかよ。
イライラが頂点に達した。
その時。
「隼斗っ!」
愛おしい、その声が聞こえた。
それと同時に、
―――ギュッ
背中に愛おしい温もりを感じた。
今、イライラしてる原因は俺の背中に抱きついてる奴なのに。
“離したくない”
今は話したくないのに。
“期待”
やっぱり俺には、満奈しかいない。
「・・・ごめんね」
後ろから、そんな言葉が聞こえた。

