次の日。
仕事から帰って来た俺を待っていたモノ。
それは、たくさんの問題集と可愛すぎる満奈の笑顔だった。
ヤべぇ・・・。
キスしてぇ!
と思っても、出来ないわけで・・・。
身体がムズムズする。
「おかえり、隼斗。さっそくやろうか」
今の俺には、その笑顔も悪魔にさえ見えてしまう・・・。
「はい・・・」
でも、絶対卒業したい。
だからこそ俺は、疲れた身体に鞭を打って机に向かった。
「とりあえず英語からいくね」
英語・・・ね。
苦手だー。
日本人なんだから、英語なんてどうでもよくね!?
って思うんですけど。
それでも俺の彼女は、英語が大得意らしい。
問題集を開き、解き始めようとする。
・・・が。
いきなり分かんねぇっ・・・!
「えっ・・・?まさか、中学校の範囲すら分かんないの!?」
ちっとも動かないシャーペンを見て、満奈は驚きの声を上げた。
えっ、こんな難しいのを中学で習うわけ?
俺、こんなのやった覚えないんスけど・・・。
「分からねぇ・・・」
「マジですか・・・」
大きなため息をついた満奈。
すみませんなぁー・・・。
「隼斗、どうやってここ受かったの?」
「そりゃもちろん・・・気合?」
確かに。
こんなに馬鹿なのに、高校に受かったのが奇跡だ。

