そこに立っていたのは・・・、

「確かに貴方の方が可愛いよ」

紛れもなく、俺が愛したい人。

俺が愛されたい人。

「でもね」

―――桜井満奈、だった。





「隼斗は譲れないの」





如月の制服を着た満奈。

力強い瞳でそう言った。

「他の誰にも渡さない。例え相手がどんなに美人でもね」

嬉しかった。

満奈のその言葉が、物凄く嬉しかった。

「あたしは隼斗を愛してる」

それを聞き、華園はまた俯く。

俺は満奈の隣に立ち、彼女の手を握った。

驚いて俺を見る満奈。

その顔が可愛くて仕方ない。

「・・・っう・・・」

華園の泣き声だけが部屋に響いた。

「俺も、満奈を愛してるんだ」

いろんな事があったけど。

俺の心はやっぱり、満奈を掴んでる。

好きで。

好きで。

大好きで。

こんなにも“愛おしい”と思える人は、この先きっと現れないだろう。

やがて、

「わた、し・・・先輩が好き・・・」

涙声になりながら、華園は言った。

俺も満奈も、黙ってそれを聞いていた。

続きを待った。