その後は支度をしてホテルを出た。

まず向かうのは朝比奈学園。

理由は、転校するため。

あと、麻友に会うため。

両親にはさっき電話で許可をもらった。

一度家に帰り制服を着て、朝比奈学園に向かった。





担任の先生に転校する事を告げた。

“そうか・・・。寂しいな”

悲しそうにそう言ったけど、

“頑張れよ。応援してるから”

最後には笑ってくれた。

職員室から出て、教室に行く。

教室に行くと、

「あっ、満奈ちゃん!」
「おはようございます、満奈様!」
「今日も可愛い~」

一気に人に囲まれてしまう。

そんな中でも、

「満奈っ!」

あの子の声だけは、はっきりと聞き取れた。

「麻友」

橘麻友。

この学校での唯一の友達で。

唯一あたしを“Rainbowの桜井満奈”として見なかった人。

麻友にはたくさん助けてもらった。

「ちょっといいかな?」

あたしには何も恩返し出来ないけど。

ずっと麻友とは友達でいたいな。

「いいよ。ごめんね」

人波をかき分けて、あたし達は屋上へと向かった。