―――バタンッ

ドアが閉まる。

それと同時に、3人の間に広がる沈黙。

・・・いざとなると、やっぱり言えない。

でも、言わなきゃ。

あたしの気持ち。

「あのね」

“お前の人生はお前のモノなんだ。誰のモノでもない”

さっきの隼斗の言葉を思い出した。

あたし、決めたよ。

「あたし・・・」

ごめんなさい、お父さん、お母さん。





「芸能界に、帰りたい―――」





それだけじゃない。

隼斗の元にも、帰りたい。

2人を裏切るって事は凄く辛いよ。

・・・でもね。

あたしには、叶えたい夢がある。

「メンバーと約束したんだ」

2年前・・・デビューした時。

Rainbow5人で話しあって、決めたんだ。

約束したの。

「“絶対トップとろうね”って。それ、まだ叶ってないの」

幼い頃から抱いていた、アイドルと言う夢。

キラキラした世界に、憧れていた。

だけど、楽しいだけじゃない。

辛い事だってあるけど。

今復帰しても、すぐには仕事をもらえないと思うけど。

それでもあたしは、

「Rainbowに、帰らせてください・・・」

戻りたい。

ちぃちゃんと、キッズと、華歩と、真琴のところへ。

頭を下げた。

2人は何も言わなかった。