(side満奈)

「満奈・・・?」

あたしを抱き締めていた隼斗の腕を解いた。

すると彼は、不安そうな顔を見せた。

「ごめんね、ちょっと待ってて?」

あたしは隼斗にそう告げた。

こんな中途半端なあたしで、ごめんね?

今、自分気持ちに決着付けてくるから。

その後でまた・・・“好き”って言ってくれたら嬉しいな。

1人呆然とする隼斗を置いて、あたしは控室を出た。





走って走って、ある人達を探した。

エレベーターの乗り場まで走っていくと。

―――チーン

ちょうど、エレベーターがこの階に到着したところだった。

ゆっくりドアが開く。

そこから見えた人物は、

「お父さん、お母さん・・・」

あたしが探していた人。

あたしの両親だった。

「どうした満奈?」

お父さんは不思議な表情を見せた。

息を整えた。

言わなきゃ・・・。

言わなきゃ・・・っ!

あたしの気持ち。

“自分で自分の道を決めていいんだ”

あたしね、やっぱり―――。

「・・・話があるの」

あたしの言葉に、2人は深刻そうな顔を見せた。

気づいてる・・・?

「・・・分かった」

そう言ってお父さんはどこかへ歩き出した。

あたしとお母さんはそれについていく。

―――ガチャッ

「入りなさい」

連れてこられたのは、あたしの控室と全く同じ造りの部屋だった。