終わった・・・の?
気が抜けて、その場にペタンと座り込んだ。
「満奈っ!?」
そんなあたしを見て、隼斗が駆け寄ってきた。
まさか・・・仁菜を殺したのが。
隼斗を襲ったのが。
雅也だったなんて・・・。
あたしのすぐ近くに、殺人犯がいたなんて・・・。
パトカーのサイレンが聞こえた。
もう、行ったのかな・・・?
「はぁー・・・」
盛大なため息をついた。
その時。
―――ギュッ
温かい、何かに包まれた。
それは、
「隼斗・・・?」
愛おしい、貴方のモノで。
「よかった・・・」
隼斗がそう呟いた。
「お前が、アイツのモノにならなくて・・・」
―――ドキッ
その言葉に、心が揺れた。
あたしもよかったよ。
雅也が捕まった事で、婚約は破棄された。
仁菜を殺した犯人も見つかったしね。
・・・でも。
まだ、解決してない事がある。
あたしのホントの気持ち、まだお父さんとお母さんに伝えてない。
あたしね、やっぱり―――。