でも、1番驚いてたのは雅也のお父様だった。

「殺人犯・・・!?」
「はい。そうです」
「雅也が・・・?」
「はい」

お父さんは笑いながら答えてる。

怖いっ・・・。

「仁菜が殺された後、信頼する探偵社に調べてもらったんです」

あぁ・・・。

だから知ってるのか。

「そしたら、犯人が分かりました。さらに」

お父さんは続けた。

「隼斗くんを襲った犯人も、同一人物だと判明しました」
「それが、貴方の息子さんです」

そう言ったのはお母さん。

「う、そ・・・だ」

床に座り込んだ雅也のお父様。

雅也はただ黙って・・・あたしを見ていた。

ナイフを手に持ったまま・・・。

「嘘だろ?雅也」

顔を上げないで、お父様は雅也に問いかけた。

雅也は何も答えなかった。

「下で警察が待機しています。自首してくれ、雅也くん」

冷たい瞳で、あたしを見つめたまま。

静かな控室内。

「せっかく満奈が手に入って・・・」

雅也がポツリと呟いた。

「幸せな人生を歩めそうだったのにな・・・」

そして、切なそうに笑った。

「それじゃ」

雅也はそれだけを言って、部屋から出ていった。

その後にお父さんが続く。

「まさ・・・や・・・」

雅也のお父様は呆然としていた。

「行きましょう・・・」

そんな彼の腕を引き、連れていくお母さん。

控室に残ったのは、あたしと隼斗だけだった。