そう思うと、無性に桜井満奈が欲しくなった。
自分のモノにしたい。
だけど、どうすれば―――。
もう、仁菜の事なんて考えられなくなった。
桜井満奈の事でいっぱいだった。
しかし、何も出来ずに。
ただ、画面越しに桜井満奈を見てるだけで。
1年が経とうとしていた時だった。
“SuperStar流川隼斗がRainbow桜井満奈との交際を宣言!”
こんな芸能ニュースが、テレビから聞こえて来たんだ。
信じられなかった。
ファンとしてはショックだった。
・・・いや。
それ以上に・・・ダメージはデカかった。
何で・・・だよ。
何で流川隼斗なんだよ。
多分・・・この時からだったと思う。
余計に、桜井満奈が欲しいと思ったのは―――。
どうすれば手に入るのだろうか?
どうすれば俺のモノに出来るのだろうか?
そんな事ばかり考えている毎日。
「集中しろっ!」
親父に怒鳴られる事もあった。
でも・・・。
俺はそれくらい、桜井満奈を想っていたんだ。
欲しい。
欲しい。
欲しくてたまらない。
俺の気持ちはもう、憧れの“好き”ではない。
本気で“好き”なんだ―――。