だけど、
―――ギュッ
また抱き締められた。
「バーカ」
そして言われた言葉。
「お前の人生はお前のモノなんだ。誰のモノでもない」
そこで大きく深呼吸した隼斗。
「だから、自分で自分の道を決めていいんだ」
その言葉が、あたしの胸の深いところに突き刺さった。
あたしの人生は、あたしのモノ・・・。
お父さんのでも、お母さんのでもない・・・。
―――だから。
あたしは、あたしの歩みたい道を歩んでいいんだ。
「・・・それに」
隼斗は言葉を続けた。
「お前が他の男と婚約するなんて見てらんないし」
ニカッと笑う隼斗に、胸がときめいた。
その笑顔・・・好き。
やっぱり好きだよ。
隼斗の事。
好きで好きで好き過ぎて。
離れたくなかった。
愛していた。
・・・ごめんなさい、お父さん、お母さん。
あたし、やっぱり―――、
隼斗を選んでいいですか?

