大きく肩を上下させている隼斗。
走って来たの・・・?
ってか、いつ退院したんだろう?
どうしてここに?
聞きたい事はいっぱいあるのに。
驚きで、声が出なかった。
代わりに溢れ出てくるのは、
“会いたい”
“好き”
“愛してる”
あたしの気持ちを代弁してくれる涙だった。
隼斗は黙ったまま、あたしの方へと近づいてくる。
そして、
―――グイッ
腕を引っ張られ、
―――ギュッ
抱き締められた。
あぁ・・・。
この匂い。
この感触。
この体温。
懐かしい。
「満奈・・・」
少しかすれた声に、酷く安心した。
「俺さ、満奈の事全部思い出した」
う、そ・・・。
その言葉が、信じられなかった。
ホントに・・・?
でも、凄く嬉しい。
「やっぱり俺、満奈が好きだ」
―――ドキンッ
胸が高鳴った。
あたしだって・・・。
隼斗が好きだよ。

