「まぁ、とってもお似合いです」
「満奈様、綺麗ですよ」
それから20分後。
支度を終えたあたしを見て、2人の女性が声を上げた。
もう1度自分の姿を確認する。
淡いピンクのショートラインドレス。
肩までかかった髪は少し巻かれていて。
メイクはナチュラルに施されていた。
「では、失礼します」
2人の女性が去った後。
あたしは椅子に座った。
ゆっくりと目を閉じた。
あたしは、もう―――。
その時だった。
―――バタバタバタッ
廊下から、慌ただしい足音と、
「お待ちくださいっ!」
「待てません!」
そんな会話が聞こえた。
その声に・・・あたしは反応してしまった。
この声・・・まさか!
そう思った、その瞬間。
―――バンッ!
あたしの控室のドアが開いた。
そして、そこに立っていたのは、
「満奈っ!」
紛れもなく・・・あたしの最愛の人。
どうしてここに・・・?
「隼斗・・・」
流川隼斗が、そこにいた。

