「なぁ、姉貴」
『何?』
「俺、思い出した。満奈との事を全部」
付き合い始めたきっかけも。
工藤嵐、松本アリア、加賀谷玲華、相葉玲央、椎名柚香、海老名春輝・・・。
いろんな奴らに邪魔されて、何度も心が離れかけた事も。
でもやっぱり、満奈が大好きな事も。
全部全部、はっきりと。
鮮明に思い出せる。
『・・・ホントに!?』
姉貴は驚いてた。
そりゃそうだよな。
いきなりそんな事言われたら、誰だって驚くな。
微かに笑った俺。
「あぁ」
短くそう言った。
満奈が・・・柳と婚約か。
んなの、絶対許さねぇ。
満奈は“俺のモノ”だ。
“満奈ちゃんは、自分で決めたのよ。貴方に引きとめる権利はないわ”
母さんにそう言われたって、
“満奈ちゃんは自分で決めたんだ。それを邪魔する権利がお前にあるのか?”
兄貴にそう言われたって。
関係ない。
「俺、満奈を迎えに行く」
『えっ?』
「姉貴は反対?」
だって・・・。
こんなにも愛してる女だ。
満奈を他の男に渡したくない。
だから、奪いに行く。
嫌がられたっていい。
俺は満奈が欲しい。
『私は反対じゃないわ。思い出したならなおさらね』
姉貴ははっきりとそう言った。
「ありがと。場所分かる?」
『グランドホテルギャラクシーよ』
それを聞いて俺は電話を切った。

