(side隼斗)

案の定だった。

「流川さん!体調はもういいんですか?」
「ファンに一言!」

今日から仕事復帰の俺。

番組収録のため、スタジオに行ったら・・・。

マスコミがうじゃうじゃいた。

正直、ウザってぇ・・・。

でも、ここはさすがの“SuperStarの流川隼斗”くん。

「はい、もう大丈夫です。ご迷惑、ご心配おかけしてすみませんでした」

敬語と王子様スマイルで対応した。

そしてそのまま、スタジオの中に入っていった。

あー、疲れた・・・。





―――ガチャッ

楽屋のドアを開けた。

すると、

「はーやーとーぉっ!」

―――ダダダダダーッ!

俺を呼ぶ声と共に聞こえる足音。

―――ギュッ

そのまま、何かが俺に抱き着いた。

「俺めっちゃ心配したんだからなーっ!」

俺にしがみ付いて、わんわん泣き始めたのは・・・太陽だった。

「迷惑かけて・・・ごめん、みんな」
「隼斗・・・」

准も愛地も、蛍も太陽も。

「おかえり」

俺を温かく迎えてくれた。

やっぱり俺、SuperStarが。

この4人が、大事で大好きだ。

「死んだかと思ったぁーっ!」

同じ高3とは思えない子供っぽさ。

馬鹿デカい声。

・・・今日だけは許してやる。

愛地も何も言わなかった。

「太陽くん・・・服に鼻水付けないでくださいね?」