今日は休日。

雅也も仕事がないみたい。

だからか・・・。

ソファに座り、テレビを見るあたし。

その隣に座って・・・肩を抱いて来た。

―――ビクッ!

思わず反応してしまう。

ヤダっ・・・。

「ハハッ。可愛いな、満奈は」

そう言って、あたしの肩を自分の方に引き寄せた。

密着する身体。

逃げたい。

でも・・・逃げられない。

「なぁ、満奈」
「・・・何?」

目を見ずに、そう返事した。

すると、

―――クイッ

顎を人差し指で持ちあげられ、顔が自然と雅也の方を向いた。

視線が交わる。

ニヤッと笑った彼。

・・・何でだろう。

嫌な予感しかしないのは―――。

「あのさ」

やけに真剣な彼の瞳。

も う 逃 げ ら れ な い 。





「婚約、するか」





あっさり言われたその言葉は、愛も何もない人生初のプロポーズ。

顔と顔の距離がグッと近くなる。

「早く満奈を俺のモノにしたい」

耳元で囁かれたその言葉に、涙が出そうになった。

あたしは・・・隼斗のモノになりたかったな・・・。

愛が欲しかった。

偽りなんかいらないから・・・。

真実の愛が欲しい―――。