あの日から3日が経った。

“また会いたい。満奈の事、もっと知りたい”

俺は満奈にそう言った。

だけど・・・。

彼女は俺の前に姿を現さなかった。

あの時、何であんな事を言ったのかは分からない。

“あんたはホントに馬鹿ね!”

偶然その言葉を聞いてた姉貴に怒られた。

確かに・・・俺が忘れたのが“満奈”なら。

あんな事言うのは失礼だよな。

でも・・・言ってよかったと俺は思う。

悲しい顔をしてた満奈。

でも・・・悲しいの間に見せた、優しい微笑み。

あれがどうしても・・・忘れられなくて。

不覚にもドキッとした。

また、あの顔が見たい。

ああ言った事で、満奈との“約束”が出来た。

けれども、彼女は病室を訪れない。

それを少し寂しく感じてる自分がいた。

俺と満奈・・・。

関係は何?





退屈してた午後。

―――ガラッ

急に、ドアが開いた。

―――ビクッ

俺は肩を震わせた。

だって・・・もしかして。

来たのが“満奈”だったら―――。

・・・しかし、期待は外れた。

「隼斗せんぱぁ~い♡」

来たのは華園だった。

ウザってぇ・・・。

そんな甘い声で俺の名を呼ぶなよ・・・。

俺の名を呼んでほしいのは・・・ただ1人だけなんだよ。

その子は・・・誰だ?

呼んでほしいのに・・・。

“1人”が誰だか分からなかった。