「ごめんな・・・」
切なそうな瞳で隼斗は言った。
何に謝ってるの?
「俺、お前の事を忘れたんだよな・・・」
あぁ・・・。
馬鹿だよ、隼斗。
何で謝るのよっ・・・。
「隼斗は悪くないよ・・・」
目が潤んだ。
見られたくなくて、ホントの気持ちを察しられたくなくて。
あたしは両手で顔を隠した。
すると、
「顔隠すなよ・・・」
弱々しい隼斗の声。
―――ギュッ
あたしの服の裾を握る、隼斗の大きな手。
「ごめん・・・。泣かせちゃって・・・」
それでもあたしは、しばらくそのままでいた。
早く泣き止んで・・・。
貴方の前でも笑えるように・・・。
やっと涙が止まり、あたしは手をゆっくりと降ろした。
やっぱり目に入るのは、隼斗の悲しそうな顔。
やめてよ・・・。
隼斗がそんな顔しないで・・・。
「・・・あのさ」
彼が口を開く。
「俺、お前の事分かんねぇからさ・・・いろいろ教えてくれるか?」
―――ドクンッ
激しく鳴る心臓。
それは治まる事を知らず・・・絶えず鳴っている。
それって・・・それって。
期待してもいいのかな?
隼斗が・・・またあたしに、
“愛してる”
そう言ってくれる日が・・・来るって事を。

