えっ・・・?
「隼斗?」
びっくりしたあたしは、隼斗の手を見つめた。
小さく、弱く、あたしの手を包んでいたのは。
紛れもなく、隼斗のモノだった。
「隼斗・・・」
顔を覗きこんだ。
すると、彼の目がゆっくりと開いていく―――。
―――ドキッ
「隼斗っ!」
また名を呼んだ。
目を・・・覚ました・・・。
生きてる・・・。
ナースコール押さなきゃ。
千歳さん達呼ばなきゃ。
どうしよう・・・。
“隼斗が生きてる”
凄く嬉しいよ・・・。
彼は視線をキョロキョロと泳がせた。
やがてそれは焦点を合わせ・・・あたしと目が合った。
「隼斗・・・」
目が合っただけなのに嬉しくて仕方ない。
こんなの、隼斗だけにだよ。
涙が零れる。
「待ってね、今ナースコール押すから」
何も言わない彼に疑問を持ったけど、そこには触れなかった。
嬉しくて、あたしは舞い上がってた。
彼の言葉で、どん底に突き落とされるのを知らずに―――。
「・・・なぁ」
「何?」
「・・・お前、誰?」
目の前が、真っ暗になった―――。