確かに心配だよ。
だけど・・・。
「ごめん。あたし無理」
『お願い満奈・・・』
断っても、美鈴は諦めようとはしなかった。
『お父さんもお母さんも、隼斗に満奈を会わせたいって言ってるの』
「えっ・・・?」
それ・・・どういう事?
隼斗にあたしを・・・会わせたい?
それって・・・。
それってまるで。
隼斗が、死んじゃうみたいじゃん・・・。
「ねぇ、何で隼斗は意識不明の重体なの?」
思いきって聞いてみた。
すると、
『頭を、金属バットで殴られたらしいの・・・』
う、そ・・・。
“頭”
“金属バット”
2つの単語にやたら怯えるあたし。
夜道に、頭を、金属バットで、殴られる。
仁菜の時と一緒・・・。
そして。
あの血のこびりついた、柳さんの部屋にあったバット。
あれとこれは関係してるの―――?
被害者、流川隼斗と桜井仁菜。
そして、この事件の犯人がもし、柳雅也だとしたら。
唯一、分かる事は1つ。
―――3人とも、桜井満奈との繋がりがあるって事。
「美鈴。あたし、行くよ」