「満奈・・・」
悲しそうな瞳であたしを見る柳さん。
ごめんなさい・・・。
心の中で謝った。
何度も、何度も・・・。
やっぱりあたし、隼斗が大好き。
柳さんには申し訳ないけど・・・。
あたし、柳さんの事は好きになれそうにない。
“男”として。
柳さんの目にはあたしが映ってるかもしれない。
・・・だけど。
あたしに目には、隼斗しか映ってないんだ。
何もかもモノクロで。
そんな中、隼斗だけが虹のようにカラフルで。
キラキラ輝いてるんだ。
「満奈」
柳さんがもう1度、あたしの名を呼んだ。
さっきの悲しそうな声とは違い、はっきりした声だった。
そして、
「まだ・・・アイツの事が好きなのか?」
あまりにも直球な言葉がかけられた。
―――ズキッ
痛む心。
真っ直ぐに言われると・・・凄く答えづらい。
・・・だけど。
「・・・はい」
あたしは震える唇を開き、そう返事した。
だって、これが・・・。
あたしのホントの気持ちだから。
痛む胃を、歯を食いしばって堪えた。

