2人で他愛もない話をしながら廊下を歩く。

「満奈、この後暇?」
「暇だよ~」
「じゃあ今日、私ん家で遊ぼうよ」
「いいよ」

麻友はサバサバした美人さん。

気取ってなくて優しいところが、あたしは大好きなの。

「あのっ、橘さん!」
「満奈ちゃん!」

すると、あたし達の前に2人の男子が現れた。

「よかったらこの後、一緒に遊ばない?」

と思ったら、お決まりのお誘いの言葉。

みんな暇だね。

あたしも暇だけど。

「これから満奈と2人で遊ぶから。じゃあね~」

手をひらひらさせて、男子2人の間を通り過ぎる麻友。

・・・カッコいい。

なんて、麻友を尊敬の目で見てた。

そこでハッとする。

「まっ、待ってよ麻友~!」

急いで麻友を追いかけた。

男子2人はポカ~ンとしてる。

「満奈、あんなのいちいち相手にしてちゃダメだよ」
「分かってるよ・・・」
「しつこい奴だっているんだから」

麻友って、彼氏いないのかな?

ふと、そんな事を考えた。

もしいたとしたら。

どんな人なんだろう?

麻友がこんなにしっかりしてるんだから、相手はちょっと抜けてる人とか?

いや、でも今の感じではいなそうだな・・・。

後で聞いてみよっと。

玄関で靴を履き替え、麻友と並んで歩く。

外に出た途端、太陽がギンギンとあたし達を照りつけた。

「暑いね・・・」
「今日は30度近くまで上がるらしいから」

吹き出しそうになる汗を気合で押えながら、麻友ん家を目指した。