そこまで考えて、あたしは首を横に振った。

ダメ。

期待しちゃダメ。

今更、元には戻れないんだから。

隼斗との事は過去形にしようって決めたのにな・・・。

「はぁ・・・」

ため息を漏らした。

テレビを消し、膝を抱える。

どうしても消えない、隼斗への想い。

自分で選んだ道なのに。

これで、後悔はないはずなのに。

・・・どうしてあたし、こんなに悩んでるんだろう?

「・・・ふぇっ・・・」

何故か零れる涙。

それは止まる事を知らず、あたしの頬を濡らしていく。

隼斗に会いたい。

あの声で“満奈”って呼んでほしい。

抱き締めてほしい。

キスしてほしい。

あの身体で、抱いてほしい。

今、気づいちゃった・・・。

離れれば離れるほど。

あたしの身体は、隼斗を求めてる。

今日、やっと決心がついたのに。

早速壊れかけてる。

「隼斗・・・」

誰にもバレないように、小声で彼を呼んだ。

ホントに、あたしなんかがCherry Iを継いでもいいのかな?

こんなあたしが・・・。

・・・それでも、明日は学校に行かなきゃいけない。

壁にかかってる制服を見つめた。





行かなきゃな・・・。

朝比奈学園に。