『・・・でも』

彼は続けた。





『別れた原因は僕にあります。彼女は悪くありません』





今度は、ちゃんと感情のこもった瞳で。

隼斗は、そう言った。

“別れた原因は僕にあります”

・・・どうして?

あんなに一方的に振ったのに。

隼斗に原因があるわけないじゃん。

あたし、隼斗以外とお付き合いとかした事ないけどさ。

これだけは言える。

自信を持って言える。





“隼斗は、最高の彼氏だ”って。





ちょっと俺様で意地悪だけど。

時々見せる優しさ。

少し不器用だけど、それが隼斗らしさなんだ。

・・・もしかして。

あたしを傷つけないため!?

一瞬、そう考えた。

だとしたら・・・凄く嬉しいよ。

10日も姿を見せなくて。

いきなり振って。

そして、あのキス。

隼斗の事、散々振り回して。

呆れてると思ってた。

あたしの事なんか、嫌いになればいいって思ってた。

・・・だけど。





―――隼斗はまだ、あたしを好きでいてくれてる?