「満奈は、会社を継ぐために芸能界を辞めたんだ」
「そう・・・」
歩美の問いに答える。
「じゃあRainbow活動停止の件は?」
「それは・・・あたしにも分からない」
多分、あたしが脱退したから。
ちぃちゃん、キッズ、華歩、真琴・・・。
迷惑かけてごめんね。
心の中で謝った。
4人と片桐社長にはちゃんと事情を説明したの。
だって、理由も言わずに芸能界辞めるっておかしいでしょ?
そんな時。
―――♪~♪~
ケータイが鳴った。
「あたしのだ」
ディスプレイには“藤森ちひろ”。
ちぃちゃんからの電話だった。
「ちょっとごめん」
千咲と歩美に一言告げてから、通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『満奈?』
「うん」
もう1週間近く会ってない。
たった1週間かもしれないけど、その声は懐かしく感じた。
『テレビ・・・見た?』
「うん。ねぇ、ちぃちゃん」
『ん?』
「どうしてRainbowは活動停止になったの?」
ホント、ナイスタイミングで電話かかってきたよね。
あたしは疑問を述べた。
するとちぃちゃんは、
『Rainbowは5人でRainbowだから。満奈がいないのに仕事できるわけないじゃん』
なんて、嬉しい事を言ってくれた。
不謹慎かな?
引退したのに、“嬉しい”なんて・・・。

