(side満奈)

「満奈」

名前を呼ばれて振り向く。

すると、そこには。

愛おしい人の姿。

隼斗がいた。

「隼斗・・・?」

彼に、ギュッと抱き締められる。

「好きだ。手放したくない」

その言葉に、胸がキュンとときめいた。

隼斗の顔が、ゆっくりと近づいてくる。

キスされる寸前。

「あたしは―――」





―――チュンチュン・・・

雀の鳴き声が聞こえる。

うっすらと、目を開いた。

視線の先には、いつもと同じ天井。

そして壁には・・・SuperStarのポスター。

あたしん家だ。

そうか・・・。

「あたし・・・隼斗と別れたんだっけ」

徐々に今までの記憶が甦ってくる。

だから、自分家にいるんだ。

じゃあさっきのは・・・夢?

気づくと同時に、少し悲しくなった。

あの暖かい腕に包まれたい。

でもそれは―――。

もう2度と、叶わない“夢”。

“あたしは”

夢の中のあたしは、なんて答えようとしたの?

・・・そんなの、聞かなくたって分かってるよ。





“隼斗の事、大好きだよ”





ねぇ、隼斗。

あたし、貴方からもらったピンキーリング。

今でも大事に持ってるんだからね。

それと・・・気付いた?





"Love You"





あたしからのラストメッセージに。