そんな時。





―――どうして、仁菜は死んだの?





そう、思ってしまった・・・。

・・・そうだよ。

仁菜が死ななければ、こんな事で悩まなくて済んだ。

アイドルを続けられるし、大好きな隼斗とずっと一緒にいられる。

全ては、仁菜の死から始まった。

仁菜が死ななければ、良かったのに―――。



ハッとした。

―――パチンッ!

そこまで考えて、あたしは自分の頬を叩いた。

あたしの馬鹿っ!

こんな考え、最低だよ。

仁菜に失礼すぎる。

彼女は、好んで死んだわけじゃないのに・・・。

もっと生きたかったよね?

修平くんと、もっと一緒にいたかったよね?

やりたかった事、いっぱいあったよね・・・。

それなのに、あたしは・・・。

最低だ。

酷い姉だよ。

「ごめん・・・、仁菜」

小さくそう呟いた。

ねぇ、仁菜・・・。

あたしは、どうすればいいのかな・・・?

体育座りして、顔を埋めた。

泣きたくなるのを、頑張って堪える。

芸能界、アイドル、Rainbow、ファン・・・。

Cherry I、桜井財閥、お父さん、お母さん・・・。

“隼斗”。

“裏切り”。

この単語達が、ひたすらあたしの脳内を駆け巡っていた。