「桜井満奈さん」
「はい?」
「ちょっと来てくれませんか?」
昼休みが始まったばかりの頃。
今日は千咲も菜々子もいないからどこでお昼食べようかな?と、考えていた時。
入口から、あたしを呼ぶ声がした。
そこには、170cmくらいと思われる男子がいた。
・・・誰?
ちょっと来てって・・・何するつもり?
「はい・・・」
疑問に思いながらも、あたしはその男について行った。
「・・・」
彼の視線に気づかずに。
「入って」
来たのは図書室だった。
お昼時だからか、人はいなかった。
言われるがままに、あたしは図書室に入った。
その途端。
―――――グイッ
―――――バンッ!
「きゃっ!」
一瞬、何が起こったのかよく分かんなかった。
だけど、目を開けば。
目の前にある男の顔。
あたしの顔の横にある両腕。
背中に感じる冷たさ。
「俺、宮瀬海里って言うんだ。知ってるでしょ?」
何を言い出すんだ、君は。
なんてナルシストな発言なんでしょう。
芸能人でもないのに・・・知ってるわけないじゃん!
「ごめんなさい・・・」
「俺の事知らないの!?結構モテるのに・・・」
おいおい。
それ自分で言う事かよ。
「・・・まぁ、いいや」
宮瀬くんは、下唇をゆっくり舐めった。
・・・ちょっと、危険かも。

