「うっ・・・うっそぉーーっ!」

あたしの馬鹿デカい声が廊下に響いたのは言うまでもない。

「ホントだよ」

言われてみれば・・・確かに似てる、かも。

えー、そうなんだぁ。

ちっとも知らなかった。

騙された気分です、ハイ。

「んまぁ、これありがとう!」

そう言うと、愛流は笑顔で、

「味は保証できないけどっ!」

と走り去っていった。

う~ん・・・。

何から何まで可愛いな、この野郎。

あたしにもあのくらいの可愛さが欲しかったです。

・・・と、愛流を憎んでても仕方ないので。

渡された包み2つを持って2Aに入った。

「・・・なんじゃこりゃっ」

そしてあたしは思わず、そう言ってしまった。

ハッ!

アイドルらしかぬ・・・。

まぁ、別にいっか。

「みんな凄いねぇ・・・」

自分の席に向かったら。

・・・大量の箱や紙袋が、山積みされてました。

もうね、座ると視界が妨げられるくらいです。

これ、そこらの男子よりももらってるんじゃないの!?

辺りを見渡してみる。

すると、あたしと同じくらいの山がもう1個・・・あったぁ!?

よく見てみるとそこは隼斗の席で・・・。

「・・・モテるねぇ」

と、呟いた。

バレンタインって、元々女の子が男の子に渡す日だよね?

あたし・・・こんなにもらって大丈夫なのかな?

失礼ですけどモテない男子、すみません・・・。

でも、これ・・・。

どうやって持ち帰ろう?