「よくお似合いですよ」
「ありがとうございます」
若い店員さんにそう言われて、嬉しかった。
んで、隼斗はと言うと。
ボーっとして。
頬を赤くして。
「満奈・・・似合いすぎ」
と、呟いた。
多分、聞こえたのはあたしだけ。
あと、他の男性店員さんも真っ赤になってたけど・・・。
あたしなんかのドレス姿で大丈夫なのかな?
「赤い方も着てみ?」
「うん」
あたしは再び、カーテンを閉めた。
そして、もう1つの方を試着。
・・・着てみて思った。
ベアトップって・・・谷間丸見えだね。
まぁ、隼斗だけに見られればいいんだけど。
―――――シャアッ
再びカーテンが開く。
すると、またまた歓声が上がった。
「桜井満奈って、スタイルいいですね・・・」
「胸もばっちりあるし・・・」
店員さんの、そんなこそこそ話が聞こえた。
スタイル、いいかな?
胸もあるかな?
谷間って言っても、ちょこっとしかないからね・・・。
・・・隼斗、また顔が赤くなってるよ。
しかも、さっきよりも3割増しで。
「どうかな・・・?」
「とても素敵ですよ!そうですよね、隼斗様」
「えっ!?あっ、いや・・・はい」
なんか・・・隼斗らしくない。
焦ってるっていうか・・・。
「さっきのよりも似合ってるよ・・・」
と、自信なさげに言った。
どうしたんだろ?
「じゃあ、これ着て行きます!」
隼斗は、自分もスーツにお着替え。
「「「ありがとうございました、隼斗様」」」
店員さん達に見送られ、あたし達は店を出た。

