「隼斗様、着きましたよ」
「満奈、降りるぞ」
ベンツがついた場所は・・・。
有名ブランドの店。
こんな所で・・・何の用事!?
訳が分からないまま、2人並んで中に入った。
すると。
「「「いらっしゃいませ、隼斗様」」」
たくさんの従業員さん達が、あたし達を出迎えた。
すっ・・・凄い・・・。
一流となるとやっぱ違うのかな?
「千歳様より要件を聞いております」
「分かった。じゃあさっそく満奈に似合いそうなのを見繕ってください」
「「「はい、かしこまりました」」」
「えっ!?・・・あたしの?」
何で?
どうして?
従業員さんが、あたしをガン見してはドレスを選んでますけどっ!
「ははっ。訳が分からないって顔してるな」
・・・ここで初めて気づいた。
隼斗、外にいるのに王子様キャラじゃない。
かと言って、俺様でもない。
微妙な感じに、なんだか心がくすぐったくなった。
「これなんかいかがでしょうか?」
「満奈、着てみるか?」
「・・・これを?」
あたしの前に差し出されたのは、真っ赤なベアトップのドレス。
スカート丈が短くて可愛い!
「こちらはどうでしょうか?」
そしてもう1つ差し出される。
こっちは青や水色でまとめられたマーメイドラインのドレス。
うーん、こっちもなかなか・・・。
「両方来てみてもいい?」
「いいよ」
承諾を得て、あたしは試着室に入った。
って言うか、サイズがぴったりなんだけど・・・。
まずはマーメイドラインのドレスを試着。
―――――シャアッ
カーテンが開いたと同時に、歓声が上がった。
似合ってるかな?

