「嘘!?」
「嘘じゃねぇ・・・。しかもキスしてる写真も映ってた・・・」

キスしてる写真!?

あたし、春輝くんとキスなんて・・・。

昨日だけだよね?

あぁ、また嫌な事思いだしちゃった・・・。

その時。

「あっ!」

昨日の出来事が脳裏に蘇って来た。

確か、あの時・・・。

カシャッて音が聞こえたよね?

まさか・・・隠し撮りされてた?

または、春輝くんがあらかじめ仕組んでおいた・・・。

「何か思い当たる節はあるか?」

そう聞かれて、あたしはその事を隼斗に話した。

「そうか・・・」

深刻な顔を見せる隼斗。

ついに、あたしにまで誤解スキャンダルかぁ・・・。

「でも今日はあの会見があるから、そこで否定しとけ」
「うん」
「じゃあそれでいくぞ」

それだけ話して、この話題は終わった。

2人で黙々と朝ご飯を食べる。

その間あたしはずっと、熱愛報道の事を考えてた。

どうなっちゃうんだろう・・・?

否定してそれで済めばいいんだけど。

あたしも隼斗もピンチだぁ・・・。

どうか、無事に済みますように・・・。

そして、柚香ちゃんも春輝くんも、何もしてきませんように・・・。

あたしには、願うことぐらいしか出来ない。

・・・でも。

柚香ちゃんはあたしなんかよりもずーっと可愛いし。

きっと、あたしよりもずっと隼斗の事を想って来たんだ。

そう思うと、胸が痛んだ。

恋って難しい。

誰もが幸せになれるわけじゃないんだね・・・。