40分後。
やっと寮に着いた。
「明日は・・・10時に来るわ。会見は12時からね」
「分かった。ありがとう、麻衣ちゃん」
車から降りて、麻衣ちゃんと別れた。
涙はまだ治まらなくて・・・。
早く隼斗に会いたい。
急いで部屋に向かった。
―――――ガチャッ!
「あっ、満奈・・・。満奈っ!?」
ドアを開けたら、隼斗がリビングから顔を覗かせた。
そして・・・あたしの顔を見て驚いてる。
そりゃそうか。
帰って来たと思ったら泣いてるもんね。
「どうした?」
玄関に突っ立ったままのあたし。
隼斗は優しく声をかけて来てくれた。
・・・あたしは弱虫だね。
貴方がいなきゃ、何にも出来ないなんて―――――。
―――――ギュッ
あたしは、思いっきり隼斗に抱きついた。
子供のように泣きじゃくった。
そんなあたしを、何も言わないで受け止めてくれる隼斗。
「あのね・・・」
でも、言わなきゃいけないよね。
隼斗怒るかな?
「・・・ん」
あたし達は顔を見合わせた。
「ひでぇ顔」
「それ彼女に言う言葉?」
確かにあたしの顔は、涙でメイクが落ちてぐちゃぐちゃかも。
でも今は、そんな事どうでもいい。
「春輝くんに・・・キスされた」
怒られるのを承知で、そう言った。

