「何で知ってるんですか!?」
俺の焦った様子を見て、笑う社長。
自分が恥ずかしくなってきた・・・。
「さらに、その相手はRainbowの桜井満奈さんだね?」
「えぇ!?」
何でポンポン当てるんだ、この人!?
エスパーか?
「そうかそうか。ほっほっほ」
愉快そうに笑う姿を見て、俺も自然と笑ってた。
「千歳さんに聞きましたよ」
「あっ・・・!」
そうか。
そう言う事か。
原因は・・・母さんだ!
うちの母さんと社長は高校時代の同級生だ。
そして2人は、如月高校の理事長と教頭。
つーか、母さんが創った高校だし・・・。
俺の予想だと。
正月頃に満奈を連れて帰った時の事を母さんが教頭に話したんだ。
あぁー・・・。
これで辻褄が合う。
「・・・そうです。桜井満奈とお付き合いさせていただいてます」
「それは、いつからかな?」
「えーっと・・・、確か去年の5月だったと思います」
ほう、と白髪交じりの髪を撫でる社長。
「いい子か?」
「はい。俺の全てを受け止めてくれます」
ニコニコと俺の話を聞いている。
何で俺、社長に満奈との事話してんだ?
・・・まぁ、いいか。
「・・・本題に入る」
一通り話し終えた後、厳しい顔で社長が言った。
「桜井満奈さんと付き合っている事は、事実だな?」
「はい」
「じゃあ、Yukaさんとは何もないんじゃな?」
「何もないって言うか・・・アイツは幼なじみです」
「ふむ・・・。さっきの会見でも言ってたなぁ」
今度は難しい顔を見せた。
そして―――――。
「流川くん」
「はい」
「満奈さんとの事を、言ってみてはどうだ?」
真剣な目で俺を見つめて、社長はそう言った。

