「はぁーい、お疲れさまでした!」

その一言で、地獄の撮影が終了・・・。

手が汗ばんで仕方ない。

早く帰って満奈に癒してもらお・・・。

と、思ったら。

「流川くん」

名前も知らないモデル3人に呼び止められた。

髪がグルグル巻かれてて、化粧濃くて、おまけに香水くせぇ・・・。

「何ですか?」

俺は猫かぶり、王子様キャラのまま対応。

「Yukaとどういう関係?」
「ただの幼なじみです」
「彼氏ではないの?」
「まさか!そこまで深い関係ではありません」

さらっと否定する。

だって俺には・・・超可愛い彼女がいるから!

・・・なんて、口が裂けても言えん。

「そうよね」
「アイツ、調子に乗りすぎだよね」
「ムカつく」

その場で柚香の悪口を言い始める3人。

そーっと抜け出して、マネに声をかける。

「帰りましょう」
「あっ、はい・・・」

今日は疲れた・・・。

満奈~っ!



―――――ガチャッ

「ただいま」
「おかえり、隼斗」

ニコニコ笑顔で俺を出迎えた満奈を抱き寄せる。

「超会いたかった・・・」
「5時間ぐらいしか離れてないんだけど?」
「いいの」

軽めのキスを落とす。

やっぱ満奈といると落ち着く・・・。

「隼斗・・・」
「ん?」
「何か、あったの?」

心配そうな目で俺を見つめる満奈。

そんな満奈が可愛くて、無意識にまた満奈にキスをしてた。

「大丈夫。何もないから」

・・・今は気づいてなかった。

これから、予想もしなかった事件が起こる事に。