「いらっしゃいませ~。2Aのコスプレカフェへようこそ♪」
「満奈ちゃんだ!サインください!」
「いいですよ」

もう何度目か分からないサイン。

あたしは今・・・2Aの出し物、“コスプレカフェ”の看板娘(って菜々子に言われた)をやってます。

もうね・・・人、人、人の嵐!

「一緒に写真撮ってくれるぅ~?」
「はい♪いいですよ」

オタクみたいな人と写真撮ったり・・・。

出店の宣伝したり・・・。

もう大忙しなんですよ。

しかも、あたしの今の格好・・・。

メイド服なんですよ!?

スカート丈がかなり短いの。

だからか、オタクの人が集まってくる。

あたしなんかに興味なさそうだからね~。

「満奈~?調子はどう?」
「菜々子~っ!変わってよ・・・」
「あっ、Nanaだ!」

教室から、菜々子がひょいと顔を出す。

彼女のコスプレは・・・ナース。

また色気がある事・・・。

「嫌よ。それに、満奈がいた方が客集まるんだから!しっかりやってね」
「えぇ~っ・・・」

ここにいたら注目浴び放題だし!

こんな服、もう脱ぎたいよ・・・。

ってか隼斗にこんな格好してるとこ、見られたくないっ!

ちなみに隼斗は・・・仕事なし。

ずるくない!?

だから今日は、太陽くんと歩きまわってるんだって。

どうか、こっちに来ませんよーにっ!

「満奈ちゃんのメイド姿可愛い~」
「ありがとう♪」

女性からも声をかけられた。

「足細いね♡触ってもいい?」
「だっ、ダメです!」

ハァハァしてるおじさんからもセクハラ発言される始末。

いつまでここにいればいいの~!?

教室に行こうとした、その時。

「あれ?満奈さん、メイド服なんですか・・・?」

今1番会いたくない人の・・・声が聞こえた。