(side隼斗)

ケータイが鳴る。

着メロは最近、SuperStarからRainbowの曲に変えた。

“虹”だから・・・メールだな。

鳴りやまないソレを、手にとって開いた。

満奈からのメール。

“クマのぬいぐるみ、ありがとう!
 気に行っちゃったよ♪

 これからRainbowでご飯食べに行ってくるね。
 帰りは遅いかも・・・。”

ちゃんと届いたか・・・。

実はこっそり計画していたんだ。

気に入ってくれてよかった。

今日はRainbowのデビュー記念日。

だから、飯食いに行くのかな?

でも・・・1つ。

不安で仕方ない事がある。

満奈・・・忘れてねぇよな?

いや・・・メンバーとゆっくり飯食ってきてほしいけど。

“帰り遅いかも・・・”の文からすると、忘れてるっぽく見えるけど。

5月16日・・・。

すると、メールにまだ続きがある事に気付いた。




“17歳の誕生日、おめでとう”




その文だけで、思わず顔が緩んじまう。

だよな。

満奈が、俺の誕生日を忘れるわけない。

でも・・・1人で誕生日を過ごすのは、ちょっと寂しい。

満奈を待ってるか・・・。

テレビを見ながら、ゴクゴクと牛乳を飲む。

時刻は午後7時。

俺は、満奈が帰ってくるまで待つ事にした。

そして、アイツが帰ってきたら言ってもらうんだ。

“誕生日、おめでとう”って。

直に言ってもらおう。

それで、俺も言うんだ。

“デビュー1周年おめでとう”ってな。