“桜井満奈様

 俺は貴方のファンです。
 この先もずっと・・・。

 デビュー1周年、おめでとう。

 俺は、満奈が大好きです。
      
       流川隼斗”

差出人を見てびっくりした。

そして、周りをババッと見渡す。

よかった・・・。

誰にも見られてない。

それにしても・・・。

どうして隼斗から?

宅配便に意味でもあるのかな?

同じ部屋に住んでるし、おまけにあたしは彼女なんだから。

部屋で渡してくれてもいいのに・・・。

でも・・・。

こんな事してくれる隼斗が、また愛おしくなる。

ありがとう。

「あたしも大好きだよ・・・」

メンバーに聞こえないように、ぽつりと呟いた。

このクマ・・・一生の宝物にしよう。

また1つ、大切なモノが増えた。

「みんな~、お疲れっ!」

その時、上機嫌な麻衣ちゃんが楽屋にやって来た。

「社長が、私達を焼肉食べ放題の店に連れてってくれるって!」
「マジで!?やったぁ!」

麻衣ちゃんの言葉を聞いて、1番テンションが上がったのはキッズ。

貴方、焼肉大好きだものね。

「早く行こうよっ!」

と、あたし達を急かす。

あたしはこっそりケータイを出して、隼斗にメールした。

“クマのぬいぐるみ、ありがとう!
 気に行っちゃったよ♪

 これからRainbowでご飯食べに行ってくるね。
 帰りは遅いかも・・・。”

「満奈ぁ~。早く~」
「あっ、うん。今行く!」

急いでもう1文打って、メールを送信。

ケータイを閉じた。




“17歳の誕生日、おめでとう”