「はぁっ・・・はぁっ・・・」

息が上がる。

寮までの距離が、長く感じた。

走っても走っても、まだここかって感じで・・・。

やっと・・・俺らの部屋の前に来た。

―――――ガチャッ!

勢いよくドアを開けた。

「満奈っ!」

急いで靴を脱ぎ、廊下を走る。

リビングへ行くと、満奈は椅子に座ってた。

「隼斗!?」

驚いた顔をしてる満奈。

そんなことはお構いなしに。

俺は満奈を抱き締めた。

強く・・・強く。

「ごめんな・・・」
「隼斗っ・・・」

満奈も、俺の背中に腕を回してくれる。

そして、言いたい事を全てさらけ出した。

「俺さ、嫉妬してたんだ。相葉の方がお前をよく知ってるし、一緒にいた時間も長いしって・・・」
「玲央もそう言ってたよ。でもね・・・」
「恋愛には関係ない、だろ?」
「えっ?何で知ってるの・・・」
「さっき相葉が俺の所に来たんだ」

満奈の顔が真っ赤に染まる。

そんなのが、可愛くて仕方ない。

「んで、頼まれた」
「何を?」
「満奈を幸せにしろって」

大きく見開かれる満奈の目。

「玲央・・・そんな事言ったの?」
「だから、“当たり前”って返事した」

俺は軽く笑った。

「それで?アイツに何て言ったんだ?」
「えっ・・・。それ聞いちゃうの?」

急に焦りだす満奈。

ヤべぇ・・・。

超キスしたい。

「えっと・・・ね?」
「うん」



「“ずっと一緒にいたいのも、愛されたいのも、愛したいのも。隼斗だけなんだ”って・・・。恥ずかしいっ・・・」



照れる満奈が、愛おしい。

可愛い事言ってくれんじゃん。