(side隼斗)

早く満奈と仲直りしたい・・・。

でも部屋に行けばアイツがいるしな・・・。

部屋に行くか、行かないか。

花占いでもして決めるか?

俺は1人、教室でウロウロしてた。

辺りはもう暗い。

そろそろ学校から出なければいけなかった。

だけど・・・。

帰る場所がない。

満奈の所に行きたい。

だけど、堂々と行ける度胸なんて俺にはない。

どうするか・・・。

1人で悩んでいた。

その時。

「・・・何してんだよ、このヘタレ二重人格野郎が」

聞き覚えのある声がした。

その声がした方を向くと、そこには・・・。

―――――相葉がいた。

「二重人格はお前もだろ?」
「あはっ、そうだねぇ~」

見事にキャラを使い分ける相葉。

この俺様をヘタレ扱いしやがって・・・。

ムカつくんだよ。

「何の用だよ?」
「ん~?・・・俺、あの部屋から出たよ」

・・・はっ!?

マジで?

「満奈が本音を全て話してくれた。俺じゃアイツなんか幸せに出来ねぇよ・・・」

そしてどこか、寂しげにするコイツ。

「満奈は・・・何て言ったんだ?」
「秘密~♪」

今度はおちゃらけやがって・・・。

俺を馬鹿にしてんのか!?

「ただ・・・恋愛には一緒にいた時間とか、知っている事とかは関係ないって満奈に教わったよ」

・・・。

俺が、1番満奈に聞きたかった事。

そう言ってくれた事が凄く嬉しかった。

「俺は満奈を諦める。もうお前らの邪魔はしねぇから」
「当然だ」
「アイツを・・・幸せにしてやってくれ・・・」

偉そうな態度をとったかと思ったら、今度は俺に頭を下げた。

相葉は・・・よっぽど満奈が好きだったんだな・・・。

俺よりも、ずっと前から。

「当たり前だ」

でも、俺はそれ以上に満奈が好きだ。

好きすぎて好きすぎて・・・壊したいくらいに。

俺は相葉を置いてすぐに部屋に向かった。